駿台の広告の問題・・・わからない→解けた

新・無題ドキュメント@はてなさん経由.
駿台の広告でこんな問題がでていたそうです.

問い
$n$自然数とする。
$K=1^{2007}+2^{2007}+3^{2007}+\cdots+n^{2007}$とするとき、$K$$n+2$で割り切れないことを示せ。

ということで,下のように書いたのですが,予想通り,明後日の方向に旅立ってました(予想はおそらく間違ってないと思われます).
話のメインは合同式でした.

$n+2$を法として,$n\equiv(-2)$$n-1\equiv(-3)$$n-2\equiv(-4)$,となっていくことに注目します.

まず,$n$が奇数の場合,$2^{2007}$以降の項は偶数個あります.それを半分に折り返します.
1^{2007}+ \left( 2^{2007}+\cdots + \left(\frac{n+2}{2}\right)^{2007} \right) + \left( \left(\frac{n+4}{2}\right)^{2007}  +\cdots +n^{2007}\right)
このとき,$n\equiv(-2)$$n-1\equiv(-3)$$n-2\equiv(-4)$などに注目して,さらに2007が奇数であることより,$1^{2007}$以外の項は「左右から」$n+2$を法として打ち消しあっていくことがわかります.結局余りは1となります.

次に,$n$が偶数の場合,奇数の場合と同様にして打ち消しあいますが,最終的に残る項は$1+\left(\frac{n+2}{2}\right)^{2007}$です.これを$n+2$で割った余が0でなければよいわけです.

$n=2k$とおくと,$1+(k+1)^{2007}$$2(k+1)$で割った余りを考えることになります.

さらに,$k$が奇数だとすると,$1+(k+1)^{2007}$は奇数です.一方の$2(k+1)$は偶数なので割り切れません,余りは0ではありません.

残りは,$k$が偶数のときです.$k=2l$とおきます.$1+(2l+1)^{2007}$$2(l+1)$で割ったあまりを考えます,$2l+1$の累乗は奇数であることに注意して,$(2l+1)^{2006}=2L+1$とおきます.
\begin{eqnarray*} 1+(2l+1)^{2007} &=& 1+(2l+1)(2l+1)^{2006} = 1+(2l+1)(2L+1) \\ &=& 2(2l+1)L + 2(l+1) \end{eqnarray*}
$0< 2(l+1)<2(2l+1)$であるので,余りは$2(l+1)$であって,これは0ではない.

以上より,題意は示されました.

間違った思考の残骸

わからない・・・やっぱりこれは,具体的な数$n$についての問題なんでしょうね.これが「多項式」としてだったら(「任意の$n$に対して」ということ),細かいところは昨日までの議論に任せて解けます.

多項式としてなら・・・$n$を明示して$K(n)=K$と書けば,
$K(n)-K(n-1)=x^{2007}$ですので,
$x=-1$を代入すると,$K(-1)-K(-2)=(-1)^{2007}=-1$
$x=0$を代入すると,$K(0)-K(-1)=0^{2007}=0$
$x=1$を代入すると,$K(1)-K(0)=1^{2007}=1$
これらを足すと,$K(1)-K(-2)=0$,つまり,$K(-2)=K(1)=1^{2007}=1$
よって,因数定理より$K(n)$$n+2$を因数に持たない.
(証明終)

実際は任意の指数に対して$n+2$では割り切れないのも同様に示せるので,これでは意味がないです.となれば・・・解けてません.何か明後日の方向に思考が向いているような気がします.

おそらく,指数が奇数であれば2007ではなくても成立するはずで,偶数のときは$n=4$のときに$n+2=6$で割り切れると予想されます(多分,このとき以外は割り切れないでしょう).