弾さんの「数学ガール」

ほぼ同感.結城さんのバランス感覚はとにかく見事としか思えません.ただ,数学英語に関するくだりについては反論.「ガール」か「ガールズ」かは単なる主観です.

404 Blog Not Found
まず「数学ガール」とはなんですか、hyukiさん、これじゃ「僕」はミルカさんからもテトラちゃんからもつるしあげられちゃいますよ。「数学ガールズ」ですよね。

「ガール」でいいと思うんですよね.多分,二人の女の子ではなく,そのうちの一人を示していて,ミルカさんかテトラちゃんかは読んだ人の好み,もしくはその時々で,みたいなことではなかろうかと.深読みしすぎかなぁ(結城さんのクリスチャンの部分とか,時々でてくる奥様との話題を考えると・・・複数ではまずいような(^^;;).結構「どっち派」みたいな住み分け(棲み分け?(笑))ができてそうな気がします(笑).最初はミルカさんだけだったので「ガール」だったのが,そのまま続いただけだったりもしそうですね.

404 Blog Not Found
such thatは間違いではないけど、滑らかな英語とは言いがたい。suchはうしろに名詞がないと座りが悪いのだ。"there exists such n in N that M is smaller than the sum of one over k"と読む。なれればどってことないのだけど、such thatの代わりにもっとすっきりと切れのある where をここでは推しておく。

such thatとwhereは少なくとも数学の論文では間違いなく意識的に使い分けられてます.英語ネイティブの人の論文でもsuch thatです.``such n in N that M is ...''とかくと,たぶん,怪訝に思われます.such thatで一個の関係代名詞みたいなように使われてます.s.t.なんていう略語まで存在します.

such thatは連続してるというか,メインはsuch thatのあとです.今から大事なこというから一気によめ!みたいなニュアンス.
whereは,大事なものを一気に書いたけど,記号とかの補足説明はwhereのあとだよ,whereの前で
一息ついていいんだよ,みたいなニュアンス.

したがって,such thatは本文に埋もれている一方,whereは別行立てで強調されているような数式の直後にひょろっと出ていることが多いです.だから巨大な式があったときに,まず式の直後をみてhereがあったら記号とかの補足定義があとであるんだなと先読みできるわけです.

404 Blog Not Found
For all M in R, there exists n in N WHERE M < Σ 1/k

数学の論文ではこの使い方は圧倒的少数派,というか多分皆無です.こうかくとsuch thatだよねと突っ込まれると思います.意味というか読み方というかが違ってきて,はげしく違和感を感じます.

これは「自然な英語」とかそういうのとは話が違う,一種の慣習みたいなものだとは思います.それと論理記号との絡みもあるかもしれませんし,もしかすると文語的な表現なのかもしれません.日本語でも「自然な日本語」と「業界的日本語」みたいな差異は存在しまし,論文とかだと「ゆえに」とか「しこうして」って使うことがありますよね.用語だと自然な英語ではきっと``vice versa'',``if and only if''なんかは使わないんだと思いますが,数学の論文だと結構つかいます.生物だと``in vitro/in situ/in vivo''なんて言葉もありますね.